融資を受けることは、中小業者の権利です。中小業者は地域になくてはならない存在。地域の多様な消費要求にこたえ、雇用を維持し、自治体の財政にも寄与するのが地域の中小業者です。中小業者が地域で営業し続けることが、持続可能な地域経済をつくることになります。
金融機関は、地域で資金(預金)を集め、産業や地域住民に資金を提供するなど、地域経済や市民生活の維持や発展にとって欠かせない存在です。中小業者が得た資金は営業を通じて地域で循環します。金融機関はそのかなめに位置します。
金融機関本来の役割を発揮させることを民商は大事な活動にしています。
中小業者への資金供給の円滑化をはかることは、政府や地方自治体の重要な役割です。民商・全商連の運動が実って2009年に金融円滑化法ができました。無担保・無保証の融資制度をつくるためにも民商は頑張ってきました。
また制度融資や保証料補助制度を充実させるためにも、民商は政府や地方自治体に業者の要求を訴えています。
融資を獲得するために民商は、「みんなで集まって話し合う」を合言葉に、融資の要求を持った会員を中心に支部や班で集まります。
そして融資の必要性や返済計画、事業計画を明確にするためにみんなで相談します。
金融機関の融資を受けるためには、「事業計画書」、「返済計画書」作成に強くなる必要があります。大事なことは、難しい書類づくりではなく、商売への熱意と返済できる具体的な計画が明確になっているかどうかです。
融資実行までみんなで話し合って頑張りましょう。
民商ではこれまでも、「自己破産したが融資を受けられた」、「所得税がゼロでも融資を受けられた」など困難な事例も突破してきました。
困難な方でもあきらめずに横須賀民商にぜひ相談を!
中小業者からの条件変更の申し込みに対し、努力義務を金融機関に求めた「金融円滑化法」は、2度にわたり延長されてきました。
民商も求めた、業者の立場に立った金融機関のあり方を定めた「円滑化法」は中小業者だけでなく、住宅ローンに対しても金利の引き下げに対応してきました。
国民・中小業者の同法の延長を求める声に耳を貸さず、安倍政権は「円滑化法」の再延長はしないと明言し、この3月には期限を迎えます。
横須賀民商は、「金融円滑化法」終了後も、条件変更の申し込みや、融資実行に対し、国民・中小業者の立ちばに立った対応を金融機関に求めてきました。昨年12月の三浦藤沢信用金庫に続き2月28日、湘南信用金庫本店と懇談しました。
民商からは、武井・星野両副会長と事務局の小林が参加し、湘南信金から、執行役員の古屋さん、総合融資部上席調査役の中川さん、同担当部長の吉田さんが対応しました。
最初に民商から、円滑化法終了後の対応について要請書を渡しました。要請書は、金融担当大臣談話にあるように、円滑化期限後も円滑な資金供給に努め、条件変更しても不良債権扱いしないことなどを求めています。
古屋執行役員は、横須賀市や弁護士会からも同様の要請を受けていること、円滑化法以前から湘南信金はそのように対応してきたこと、今後も一層努力したいと述べました。
話は、地域経済の話題に。中小業者の営業状況は、「アベノミクス」でも改善しないで、今は特に小売業や飲食業が苦戦していると述べました。そして政府や自治体が業者の生活費を補助するくらいの思い切った施策を講じないと地域の経済はダメになるという点で一致しました。
武井副会長は、今の店舗併用住宅を買い取りたいと、湘南信金の野比支店に申し込みましたが、年齢を理由に断られていました。
この日の懇談で、武井副会長の融資申し込みはただ買い取るだけではなく、太陽光発電を販売の中心戦略に据えて店舗の改造をおこない、積極的な販売戦略も含んだものであることを文書も見せて説明しました。
中川上席調査役は、「わかりました融資はOKです」とその場で快諾。「円滑な資金供給」という信金の役割がさっそく実行されました。
「震災のあった昨年よりも売り上げが落ちている(小売、飲食)」、「単価が安く、従業員の給料払うと生活費も残らない(建築)」。厳しい中小業者の業況のもと、多くの会員さんが必死に営業を続けています。
しかし政府は、消費税増税に加え、金融円滑化法を来年4月で終了させる方向です。また神奈川県は、保証協会や制度融資の補助金を削減しようとしています。こうした実態を知らせ、一緒に声をあげようと横須賀民商では10月3日、団体への申し入れ行動をおこないました。
三浦藤沢信用金庫本店では、審査部の志村副部長が対応。金融円滑化法について富塚会長が、「条件変更した業者に、貸しはがしや、貸し渋りがあるのではないかと不安が広がっている」と訴えると、志村副部長は「円滑化法が終わっても、手のひらを返すような対応はしない。中小業者の状況の厳しさは私たちも感じているので、引き続き丁寧な対応を心掛ける」と話していました。信用保証協会横須賀支所では所長が対応。神奈川臨調について、「まだ詳しくは聞いていない」と回答。
商工会議所では、袖山総務渉外課長が、「商工会議所への補助金が削られるのは、厳しい。もっと商工会議所の取り組みをアピールしていく必要がある」と話しました。横須賀水産物商業協同組合の小川事務局長は、「うちは組合員が66人。魚屋は本当に厳しい。消費税は、上がったらどうなるのかを政府はきちんと説明していない。当然増税されたらやっていけない」と厳しい現状を訴えていました。
どこでも中小企業の厳しさと、一方での政府や県の冷たい対応に悩みや怒りを持っていることを感じました。